【悩み相談】食べたいものが思いつかない

こんばんはー。永理です！

今回は、企画で「お悩み相談」をやってみようと思います。いえーい！

＜相談＞食べたいものが思いつきません。さらに子供の世話で、ついつい自分の食事を忘れてしまいます。どうしたらいいでしょうか？おすすめの手軽に食べられるサムシングがあれば教えてください。(30代。女性)

相談いただきありがとうございます。下記三点にお答えします。

食べたいものが思いつきません。
子供の世話で、ついつい自分の食事を忘れてしまいます。
おすすめの手軽に食べられるサムシングがあれば教えてください。

相談者さんのお話を直接伺った際に、1.2.について、食べたいものがわからないという現状の自分を「こんな自分ではダメだ」と思っていらっしゃるようにお見受けしました。ですのでその辺からお話したいと思います。

食べたいものが思いつかない

まず、考えてみてください。人類の長い歴史の中で「食べたいものを食べる」という状態が、どれだけ稀有なことであるか。

食べたいものが食べたい時に食べられる動物は野生にはまれだと思います。ライオンはシマウマが食べたくても、目の前にウサギがいればそれを食べるのです。それでも食べるものがあればマシなのであり、獲物が見つからなければ何日もお腹をすかして草原を徘徊するしかないことでしょう。

現代日本で飢えることはあまりないでしょうが、それでも、子どもの頃には家庭でも学校でも、基本的に出されたものを食べるのであり、嫌いなものがあっても「好き嫌いせずに食べなさい」と怒られたりしませんでしたか。

ようするに、歴史的に見ても、多くの人は「なにを食べたらいいか」について特に意識したり、いちいち決定したりせず、それでも毎日生きてきている、ということです。

つまり「わたしは◯◯が食べたい」というような強力な欲望が感じられないことについて、自分に欠陥があるかのように感じているとしたら、それは不要な考えです。

数世代前の日本人は、「一度でいいから腹いっぱい白米が食べたい」と思いながら麦を食べたかもしれません。たくさんの兄弟たちと食べ物を奪い合いながら育った昭和初期の大家族出身者は、食に対する嗅覚が鋭敏かもしれません。が、ようするにそれは「不足感」からくる文字通りのハングリー精神です。

この飽食の時代、すでに満たされている人にハングリー精神がないことはむしろ正常です。まちがった食欲に突き動かされた人々が、どんどん肥満となって健康を脅かされ、必死でダイエットをしているのが現状です。そんな歪んだ食欲なら、ないほうがましではありませんか？

現代日本では、簡単に手にはいる数百円のお弁当でも、それなりに美味しいのです。どれを選んでもそこそこ満足度が高いことがわかっています。「べつにどれでも大差ないな」となってもあたりまえだと思いませんか。

相談者さまは、現に健康で生きているのですから、今の食事で問題ないということです。悩むのをやめるだけでいいのではと思います。

健康情報などを取り入れて食事を選んだりすることもあるとのこと、とてもよいと思います。「別に食べたいわけでもないが、情報に従って食べる」ということを罪悪視する必要はないのです。

PDCAがお好きとのことなので、情報にしたがって食べてみて自分の体にどういう変化があるのか、あるいはないのかについて観察、記録して、自分の体調と食べ物との関連についてPDCAサイクルを回していけば、自分自身にあった食べ物や食べ方がわかるのではないでしょうか。

食べるのを忘れてしまう

２番目の、食べるのを忘れてしまうという点については、現代人は概して食べすぎなので、食べたくない時に食べなくても基本的にはむしろよいのではと思います。

ただ、相談者さんの場合には、食べるのを忘れて空腹のあまり動けなくなることもあるとのことなので、ここまでくるとさすがに支障があるので対処すべき案件となるでしょう。

ただ、それについても、まずそんな自分を否定的に見なくてもいいと思います。卑屈になる必要などなにもなく、なんなら自分は物理空間の臨場感よりも、抽象世界の臨場感のほうが高い、より高次に生きる進化した人間なんだくらいに思ってもいいのでは。寝食忘れて研究に没頭する偉人なども数多くいます。

ボディビルダーなどは、筋力をつけるために宇宙食のような特殊な食事をとったり、アスリートも競技前の特定の時間に特定の栄養をとったりしますよね。べつに「おいしい」とか「これを今食べたい」というような動物本来の欲望にもとづかない、自身の目標ややりたいことのために適した食事を、意図して、頭で考えて食べていますよね。

食欲や食事の好みをそんなに神聖視せず、人生の目的のために、あるいは単に必要だから食べるということでOKではないですか。

食が豊かだと文化的という価値観もあるかもしれませんが、それはもう趣味的な範疇のことです。たとえばその趣味はボディビルダーのライフスタイルとは両立しませんよね。趣味や生き方に優劣はありません。どういう趣味を選ぶかの決断の問題だけです。「文化的食事でない自分はだめ」ということなどまったくないわけです。

相談者さんの場合においては、たんに、食事を忘れないよう、スマホでアラームをかけるとか、こどもの食事のついでに自分も少しつまむなどすればいいのでは？