昔、予備校で
You can’t have your cake and eat it.
という英文を習いました。
有名なことわざらしいので、知っている人も多いかもしれませんが。
これは、受験生だった自分には難しかった。
知らない単語は一つもないというのに。
You:あなた
can’t:できない
have:持つ、所有する
your:あなたの
cake:ケーキ
and:と、そして
eat:食べる
it:それ
「あなたは、あなたのケーキを所有することができない、そしてそれを食べる」
???? 意味不明ですよね。
さて、正解は…
ケーキは食べたら残らない
だそうです。
それなら「内容として」意味はわかるけれど、なんでその文がそういう意味になるのかがわからない!
当時予備校の先生はその文法的解釈などは説明してくれず、釈然としませんでした。
そんなことがずっと昔にあって。
最近、「あ、こう考えれば説明できるかも」と思いついたことがあったので、書いておきます。
andは「そして」ではない
キーはandだということに唐突に気づいた。
アンドは多分日本人でほとんど知らない人がいない単語だと思いますが
だいたい
You and me:きみとボク
Tom and Jelly:トムとジェリー
Kiki and Lala:キキとララ
みたいに「と」「と(いっしょ)」という意味か
Go to bed and sleep:ベッドに行って、寝る。
みたいに「AしてB」「AそしてB」という意味で認識していると思います。
しかし。
論理学的には、andは「かつ」なのでした。
「A and B」は、「AとB」ではなくて、(「Aという命題が成り立つ」かつ「Bという命題が成り立つ」)の意味。
ということは
(あなたはあなたのケーキを所有する:A)かつ(あなたはそれを食べる:B)
この「AかつB」がcannot(=不可能)といっている
と考えたら、「ケーキを食べると言うこととそれを所有することは両立できない」→「ケーキは食べたら残らない」という意味になるというのが、何かやっと腑に落ちた。
所感
英語ができる人には、何を当たり前のことをぐだぐだ言ってるの?と思われるかもしれないのですが
「and」とか。ものすごーく基本的でよく使う単語が、実は一番むずかしいというか。英語のandと日本語の「と」や「そして」は全然コンパチブルじゃないよという。
結局、語学の向上は、そうやってひとつひとつの事象にたいして、「このような場面においては、この言語ではこういう表現をする」という実用例を脳内にいかに蓄積していくかという、この経験値を地道にあげていくしかないってことかなあと思いました。